ご利用者様の声
ご利用者様の声① 顕証寺婦人会

顕証寺の婦人会には現在60名弱の会員がおり、さまざまなご奉公をさせていただいております。この度、日比会長、福井さん、長谷川さんの3名にご協力いただき、顕証寺婦人会の発展についての話し合いの場を設けました。
顕証寺や婦人会との関わり方や、「終活」について意見を交わすなか、今私たちは何を大切にし、何をするべきなのかが見えてきました。今回は、その時の様子をまとめ、お届けしたいと思います。

(日比)私はもともと信者ではありませんでしたが、結婚を機に顕証寺とのご縁をいただきました。最初は右も左もわからない状態でしたが、身内を亡くした際に周りのご信者さんや婦人会のみなさんからいろいろなことを教えていただきました。
(福井)私は実家が本門佛立宗の信者だったので、幼い頃から親と一緒に連れ参りをしていました。ただ、仏事に関しては教わる前に嫁いでしまったので詳しくはありませんでした。嫁ぎ先はあまり仏教に関心がなく、義母が亡くなった際も葬儀会社の紹介するお寺で葬儀を行いましたが、縁もゆかりもないお寺にお任せすることの違和感が大きく、本門佛立宗との仏事のやり方や文化が違ったことに驚いたことを覚えています。
(長谷川)私も実家が本門佛立宗の信者でした。母に連れられてよくお寺へ行きました。母がご奉公している間に、私は境内で過ごしていたのですが、時には若いお教務(僧侶)さんと一緒に遊んだり、写真を撮ってもらったりしていましたね。
お寺でつながる縁に助けてもらえるのが婦人会。
(長谷川)わからないことも多いなかで年長者の方へ相談できる環境があるのはありがたいことですね。それが婦人会の良いところではないでしょうか?
(福井)そうですね。私は割と自分自身の体験談も含めオープンに相談をし合っていると思います。もともとはまったく見ず知らずの人たちが、ご信心をもとに集まってひとつになれることが大切だと思っています。誰かが来なくなれば心配になりますし「どうしてるだろう」と声掛けもします。日常生活の些細な相談事や子どもの事までいろいろなことを相談しながら共感してもらえるのはすごくありがたいことですね。
(日比)やはり人間関係の付き合いは一番難しいことですね。自分が良いと思うことも、他人にとっては良くないこともあります。過去には婦人会の中での人間関係に悩むこともあり、ご住職に相談したこともありました。助言をいただきながら、今は何も気にすることなく過ごしています。
お寺は相談相手として心の拠り所になる。
(日比)以前、息子がスキーで背中の骨髄を損傷する大怪我を負ったことがありました。その時の私は頭が真っ白になり、車椅子生活になったらどうしよう、小さい子どもたちもまだいるのに…と慌てふためいていました。しかし、ご住職にもお助行していただき、私もお看経(御題目を自宅・お寺で唱えること)を何度もしたことを息子に伝えると、息子も何か感じたのか少し安心した表情を見せてくれました。それで私自身も落ち着くことができました。
(福井)私の長男は就職氷河期にちょうど当たる年代で、就職活動は何をやってもうまくいかないような状況でした。しかし、夫も私も驚くほど慌てることなく平静でいたんです。長男はお看経をずっと続けていて、自分なりのご信心に向きあう中で、いろいろな出来事を消化できていたんだと思います。また、次男も仕事関係の悩みで落ち込んでいた時に「どうしようもないことは世の中にたくさんあるけれど、あなたには心の拠り所があるのよ」と伝え、二人でお参詣してお看経をあげるようになりました。自分自身で体験したからなのか、お寺に来てすごくほっとしたそうで、それから仕事の関係も好転し上手くいくようになりました。
(長谷川)嫁ぎ先は別の宗派のお寺でした。他の宗派を見たからこそ、信心深く相談相手にもなりうる本門佛立宗といった存在とその中にあるコミュニティ(教養会)の有り難さを改めて感じましたね。
世代を超えるために必要なこと。
(日比)教区の仲間のなかに、息子さんが仏事に関心を持てないことに悩んでらっしゃる方がいました。とても親孝行な息子さんで、車に乗せて送迎などはしてくれるのですが、息子さんご本人がお寺に入ることはないそうです。何か引っかかることがあるのでしょうね。
(福井)それは親が子どもにお寺や信心について話してこなかったことが一因にあると思います。息子さんや娘さんが形だけは法灯(ほっとう)を継ぐものの、ご本人に信心がない場合はその後の信行(しんぎょう)が続かなかったという話も聞きます。その反面、「続けて欲しい」と伝えてきたことで親が亡くなった後に息子さんがご信心を継いでくれた例もあります。ご本人もそこまで信心が強い訳ではなく、息子さんとも口下手な親子関係だったようですが、お寺に関しての想いを伝えていたので息子さん自身も「父がしてほしかったことができた」と仰っていました。
(日比)昔は家族の中でもお寺や仏事について話す機会がありました。しかし、今は核家族が大半で、話し合う機会があまりないのではないでしょうか?若い人には若い人の価値観・生き方があると思うのです。だからこそ、お寺にお参りする意味や価値を伝えていかなければいけないのですが、コロナ禍もあり一層難しく、果たしてこれでご信心をちゃんとやっていけるのかと思うこともあります。私自身も息子たちには勝手にお墓を継いでくれるものと思っていましたが、改めてしっかりと話す機会を設けなければいけませんね。
(長谷川)私自身が亡くなった後のことも子どもはなんとなくわかっているんだろうと思い込んでいましたが、例えば海洋散骨みたいなことはしてほしくないし、本門佛立宗で葬儀をあげてほしいなど自分の希望を伝えることはできていなかったですね。
(福井)私の両親は本門佛立宗で葬儀をし、夫の両親は別の宗派で葬儀をしました。どちらにも子どもたちは参加したのですが「本門佛立宗顕証寺のご住職の話はよくわかるけど、他の宗派の人の話はよくわからない」と言われたことがありました。私自身も自分が亡くなった後の心の準備について子どもたちに伝えていることもあり、しっかり理解してくれているのではないかと思っています。
家族に手紙で想いを伝える。
(日比)顕証寺では仏事やご信心に関して家族と話すきっかけを常にご住職が作ってくれていると思います。ある時には今想っていることを誰かに宛てた手紙として書いてみようと提案してくださいました。
(福井)ちょうど夫とお墓について話したいと思っていたタイミングだったので、良いきっかけになったんです。実際に郵送する訳ではないのですが、言葉にしたためることで頭の中が整理できて、書きたい内容をそのまま口頭で伝えました。そうすると夫も素直に聞いてくれて「考えなきゃいけないよね」と。こうしたきっかけをご住職がいつもくださるので本当に助かっていますね。
(長谷川)私はその時にはまだ顕証寺にはいなかったのですが、家族にもきちんと伝えていきたいですね。私が亡くなったら本門佛立宗でお葬式をあげて、やはり子どもにも継いでもらいたいという想いがありますし、目に見えなくともお参りして御題目を唱えることで想いを届けることができるということは伝えたいと思います。
(福井)私の母は臨終の時に「私はあなたに信心をちゃんと伝えられた?」と聞いてきました。私は「伝わっているよ」と言ったと同時に、私自身もきちんと子どもたちに伝えていかなければと思ったことを覚えています。まだ伝えきれてはいないとは思いますが、これから子どもたちも迷うことになると思います。だからこそ普段から話しておく必要があるんですね。
(日比)子どもたちには信心を続けてほしいですからね。こうやって話す機会をいただいたことで改めて家族ともきちんと話さなければと思いました。
★顕証寺婦人会では、わからない仏事や活きたご信心生活のことが仲間同士で話し合えます。住職ともより一層近しくなり、教養会を含め充実したお寺とのつながりを持てるでしょう。ぜひお気軽にお声かけください。
